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行政改革会議「中間報告」について

─首相官邸への手紙─



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まえおき─行政改革の視点─
首相官邸への手紙(1997年9月20日メール送付)
  はじめに
  1.国政と地方行政
  2.行政評価・監視
  3.省庁再編の実行計画
  おわりに
    表1 行政改革会議「中間報告」(平成9年9月3日)の問題点
    表2 行政改革の過程で討論の必要な課題
        ─行政評価・監視の視点から─
    表3 省庁再編の実行計画(概略)
  補注

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まえおき ─行政改革の視点─(2006/11/05更新)

 1996年(平成8年)11月21日、第二次橋本内閣のとき、行政改革の基本構想立案のために内閣総理大臣直属の機関として行政改革会議が設置されました。

 そして同年11月28日の第1回会合からおよそ9カ月の審議を経て、1997年9月3日に行政改革会議「中間報告」が公表されました。この「中間報告」は首相官邸ホームページ ( http://www.kantei.go.jp/ ) に収録されています。

 → 行政改革会議「中間報告」(平成9年9月3日)
   http://www.kantei.go.jp/jp/gyokaku/0905nakaho-01.html

 行政改革会議「中間報告」のすぐあと、1997年(平成9年)9月11日に、第二次橋本改造内閣が発足しました。発足当初から佐藤孝行総務庁長官の進退をめぐり、大きな政治問題となり、9月22日に佐藤長官が辞任、新たに小里貞利氏が総務庁長官に任命されました。この進退問題にはこれ以上触れませんが、総務庁は行政改革の担当庁でもあったことから、この問題とは別に、行政改革の実務をとどこおりなく進めることが、当時、要請されたものです。

 この行政改革会議「中間報告」に関し、当時の橋本首相宛に、首相官邸ホームページを通じて私見を送付させていただきました。

 以下にそのメールの写しを掲載します(1997年9月20日送付)。

 ところで行政改革の進め方には様々な意見がありますが、省庁再編をいかに実行に移すかという実行計画(アクションプログラムもしくはアクションプラン)が伴わないかぎり、いかに壮大な格調高い議論を繰り返しても、いずれ海の藻くずとはかなく消え去る運命にあります。

 行政改革会議「中間報告」の気がかりな点については、[表1] に記しました。他にもいろいろあると思われますが、自分の理解の範囲も限られていることから、ひとまず3点としました。

 私たちに必要なのは、行政改革にとくに反対しないのであれば、いかに行政改革を実現するか、そのために何をすればよいか、ということでしょう。

 それで、それを実現するための省庁再編実行計画(概略) [表3] を立ててみました。省庁再編を実施する段階ではこれだけでは不十分なことはいうまでもありませんが、たたき台のつもりで提案させていただきました。

 なお行政改革会議「中間報告」から3年あまりを経て、森内閣のもとで、中央省庁が1府22省庁から1府12省庁に再編され、2001年1月6日から新体制がスタートしました。

 こうして中央省庁は再編されましたが、各省庁の所管業務・職務機能の見直し、職員の削減・配置転換は、その後必ずしもすすんでいないように見受けられます。今後の課題と思われます。(堀場康一)




首相官邸への手紙 (1997年9月20日メール送付)

はじめに
1.国政と地方行政
2.行政評価・監視
3.省庁再編の実行計画
おわりに

  表1 行政改革会議「中間報告」(平成9年9月3日)の問題点
  表2 行政改革の過程で討論の必要な課題
      ─行政評価・監視の視点から─
  表3 省庁再編の実行計画(概略)

補注


橋本内閣総理大臣殿

前略 ごめんください。
行政改革会議の中間報告が平成9年9月3日に公表されましたが、これ
で行政改革が次の段階に入ったように思われます。今後行政改革がとど
こおりなく推進されますよう、心からお祈りいたしております。
つきましては、この行政改革会議「中間報告」全文を、首相官邸ホーム
ページで拝見いたし、筆をとらせていただきました。
この中間報告ではいわゆる1府12省庁再編案が提案されていますが、
これに関連し行政改革についての私見を述べさせていただきたいと存じ
ます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−

 まずはじめに、この中間報告に関し気がかりな点を三つあげさせてい
ただきます (表1)。


================================================================
 表1 行政改革会議「中間報告」(平成9年9月3日)の問題点
================================================================
 1.国政と地方行政

   行政=国政(行政イコール国政)という考え方が基本にあり、
   地方行政がどちらかというと特別扱いされている。
----------------------------------------------------------------
 2.行政評価・監視

   行政評価・監視のあり方、および行政評価・監視をどのように
   行えばよいかという視点・方法論が、中間報告では基本的に対
   象外となっている。
----------------------------------------------------------------
 3.省庁再編の実行計画

   1府12省庁の再編案はひとまずできたものの、現行の各省庁
   の所管業務の見直し、職員(大臣・長官・次官・局長級を含む)
   の削減・配置転換・合理化ついての見通しが明確でない。
================================================================


 以下それぞれにつき説明を加えさせていただきます。


1. 国政と地方行政


 行政改革会議の役割については、平成8年11月28日の第1回の会
合において、

 「�。横雲さ�における国家機能のあり方、�△修譴鬚佞泙┐臣羆�省庁
再編のあり方、�4嬰ゝ’修龍�化のための具体的方策、を主要な検討課
題とする(当会議における内閣総理大臣あいさつ)」(「中間報告」は
じめに、参照)

ということが確認されています。すなわち、行政改革会議のおもな関心
は、国家機能、省庁再編、官邸機能で表わされるような国政すなわち国
家行政の枠組みにあると思われます。

 ところで国民一人一人の日常の生活の場では、行政=国政という認識
よりはむしろ、

 行政=国政+地方行政
 (行政とは、国政と地方行政を足して合わせたものをいう。)

という認識が、常識的かつ一般的ではないでしょうか。たとえば、税金
一つをとってみても、国に納める国税と地方公共団体に納める地方税を
合わせたものが税金であり、国税と地方税はたんに納付先が違うのであ
って、国税と地方税をまったく別のものと捉えることは少ないように思
います。いいかえれば、税金に限らず、国と地方を切り離して理解する
ことはむずかしいということです。

 そこで、国政においても地方行政においても、国民が普通に常識的に
理解できるようなやり方で議論をしていただけると有り難いと思います。
 すなわち行政改革会議においても、上に触れたその第1回会合の議事
にあるように、最初から行政を国家行政に限定して行政改革の議論をす
るのでなく、「行政=国政+地方行政」という視点に立った議論をまず
展開してほしかったと、私は考えます。

 じつはさいきん私は、地方は豊かである、と感じることが多くなりま
した。というのも、朝起きてから夜寝るまでの人々の生活の一こま一こ
まを細かく眺めていくと、「地方の生活」の方が「中央の生活」よりも、
人間味があり、豊かさがあり、生き生きしていると感じられることが多
いからです。
 「中央」と「地方」のとらえ方は 人により住む所により職業により
種々様々であると思いますが、中央と地方との関係をより実り多いもの
にするためには、

 (1)地方の豊かな(人的および自然・人工の)資源や財産をいかに
    中央政権=国政に取り入れるか、
 (2)中央と地方をいかに融合し調和させるか、

というようなことが重要な課題になると考えます。

 もちろん「行政=国政+地方行政」という視点を強調したとしても、
今回の省庁再編案に大きな変化があるとは思えませんが、中央の豊かさ
は地方の豊かさに支えられてはじめて成り立つわけですから、地方行政
と国政とのかかわりにもう少し触れるべきではないでしょうか。 
 そこでは、現在取り組まれている地方分権と同時に、地方に学ぶ姿勢
が必要と思われます。
 このうち後者の「地方に学ぶ」姿勢については、国政ばかりでなく、
地方行政の側でもあまり働きかけがなされていないように見受けられま
す。

 私は名古屋に住んでおりますが、さる6月に開催決定した2005年
愛知万博に関連する愛知県(行政当事者および民間団体・会社を含む)
の中央に対する活動をみても明らかなように、地方の中央に対する働き
かけは、国からの予算配分・獲得、新幹線・飛行場・高速道路等の交通
設備の新設・拡充、企業誘致、文化・学術・スポーツ施設の誘致、万博
・オリンピック・地方博のようなイベントの開催、省庁OBの獲得・天
下り(地方の行政機関、民間団体・会社などへの)、河川工事・防災対
策等の陳情・依頼活動が大半を占めているように見受けられます。これ
らはそれぞれ独立しているのでなく、お互いにある程度の関連があり、
また住民の生活上必要な場合があり、簡単に是非の論議で片づけること
はできないと思いますので、これ以上の議論は控えます (補注1)。

 ただし、地方の中央に対する陳情・依頼活動がかなり一方的かつ一面
的であるということは言えるのではないでしょうか。「中央として地方
に学ぶ」ということがあまり進展しないのは、このような地方の中央に
対する態度にも一つの原因があるように思われます。いいかえれば、地
方の豊かさを中央に売り込む姿勢にやや欠けるということです。地方が
もっと誇りをもち、時には大見得を切って、地方の豊かさを主張する気
構えがもっとあってよいと思います。

 したがって、行政でいえば、国政と地方行政のあいだのコミュニケー
ションのパイプを太くし、一方通行にならないようにし、相互の往来が
もっと気軽に気楽にでき、国政・地方行政それぞれの長所・短所をお互
いが自由に主張し批判し合えるような仕組みを作っていくことが、これ
から必要と考えます。
 なお、地方行政については、次項2でさらに言及させていただきます。


2. 行政評価・監視


 行政評価・監視 (administrative evaluation and monitoring) とい
うのは、どちらかといえば行政府としての内閣の立場というより、国民
もしくは住民の立場に立った議論であり、国政ばかりでなく地方行政を
も必然的に巻き込むものです。したがって、行政改革会議の関心の範囲
を主として国政に限ったとしても、議論が進展するにつれて、地方行政
についてもかなりの程度触れざるをえなくなると思われます。

 国政と地方行政の双方を対象とした行政評価・監視が、国会や内閣で
めったに取り上げられないのは、たとえば国会や内閣をみた場合、

・国会や内閣における議事や議論を見聞すると、「行政=国政」という
 考え方が基本にあり、行政の対象から地方行政が実質的に除外されて
 いる。したがって、地方行政の現場でようやく明らかとなる個々の国
 民すなわち住民の姿が明瞭に見えるような仕組みおよび体制で、日常
 の業務や執務が行われているとはいえないのではないか。

・また国会議員はおのおのの出身選挙区を代表してはいるものの(参議
 院比例代表制選出議員を除く)、所属党派あるいはその支持母体(選
 挙後援会、経済・経営団体、労働団体、市民団体、教育団体その他)
 の利害関係に左右されることが多く、単純に出身選挙区のその地方の
 いわば「宣伝マン」もしくは「広報マン」として自由に振る舞うこと
 が困難である。 

というようなことが、指摘できるのではないかと思います。
 しかし個々の国民すなわち住民の姿を見ない行政は行政とはいえませ
ん。そこで「行政=国政」でなく、むしろ「行政=国政+地方行政」で
あるという認識に立って、今後の議論をお願いしたいと考えます。

 以上のことをふまえ、行政改革会議を含む行政改革の討論の場で、つ
ぎのような課題が今後取り上げられてよいと考えます [表2]。


================================================================
     表2 行政改革の過程で討論の必要な課題
        ─行政評価・監視の視点から─
================================================================
(a)行政(国政および地方行政を含む)により実施された内容・
   成果・実績をどのように評価、監視すればよいか。
----------------------------------------------------------------
(b)行政評価・監視に基づくもろもろの判定結果をどのような形で
   行政の現場にフィードバックすればよいか。
----------------------------------------------------------------
(c)そのフィードバックされた事柄を実際の行政にいかに反映し、
   行政の質をいかに向上させるか。
----------------------------------------------------------------
(d)それら全般をふまえ、わが国の行政全体の質をいかに諸外国
   にアピールし、世界各国の信頼が得られるようにし、そして
   日本の政治的地位をどのようにして高めていけばよいか。
================================================================


 ここで (a)(b)(c)(d) それぞれにおいて、実現するための手段・手続
き・方法を明確にし、さらに、その実行計画(アクションプログラム)
を順序立ててわかりやすく策定する必要があるのはいうまでもありませ
ん。

 ところで行政評価に限れば、一例をあげますと、行政改革会議の中間
報告の別紙2で独立行政法人の制度設計に触れ、運営評価委員会の設置
が提案されています。
 この運営評価委員会の組織と任務は次のようになっています。

「(1) 運営評価委員会
�〜反�
◇中期計画の審査、各年度の業務実績の評価等を行う機関として、所管
省庁ごとに、原則として1つ、運営評価委員会を設置する。
◇運営評価委員会の委員は、実務経験の豊富な外部の有識者を起用する。
また、必要に応じ、法人の役職員、所管官庁の職員等の出席を求めるも
のとする。
��任務
◇主務大臣の諮問に応じ、次の業務を実施する。
1) 中期計画の審査
2) 年度計画の審査
3) 業務成果の評価
4) 国が法人に対し支払う運営交付金の額に係る審査
5) 業務成果の評価結果に基づき、業務及び組織運営に関する改善措置、
長・役職員に対する報奨措置・改善措置等を長及び大臣に勧告  等

(2) 評価結果の運営等への反映
…………(以下略)」(同報告、別紙2−�供檻技仮�) 。

 これをみますと「実務経験の豊富な外部の有識者」を運営評価委員と
して起用することになっていますが、 [評価の基準] として何を採用す
るのか規定されていません。この点については中間報告 �掘檻魁檗複院�
項、受け皿組織のあり方のところで、独立行政法人の業務実績・成果の
「評価基準等のあり方については、さらに検討をする。」と記されてい
ますので、評価の基準はこれからの検討課題のようです。

 また中間報告、別図2の省庁編成(イメージ図)の留意事項1に「行
政審判機能の確立、その組織の在り方について、今後真剣に検討。」と
あり、また同報告、�掘檻押檗複押砲料輒馨覆旅爐法屐蔑磴┐弌◆惺埓�
審判庁』の設置)」とありますので、まだ、行政評価・監視についての
方針は明確とはいえないようです。

 行政評価・監視は、本来ならば、行政の実務担当者がその責任におい
て率先して実施すべきものと考えますが、現実には、行政担当者は実務
処理に追われ、行政評価・監視を体系的に手がける余裕がないように見
受けられます。しかし、上記の独立行政法人の例に限らず、評価の基準
が明確でなければ、仕事をやり終えても仕事のやりっぱなしにならざる
をえません。

 それゆえ、国政および地方行政を含む行政全体を対象として、行政評
価の基準・手法を体系的かつ包括的に立案・策定し、行政評価を一つ一
つシステム化していくことが今必要とされていると考えます。

 そのための手だてとして、省庁内で実施されている会計検査や行政監
察の業務はそのまま継続しながら、それとは別に、「国政および地方行
政の双方を対象とした、非営利・第三者機関としての行政評価・監視機
関の設立」を私は提案しています。
 この件につきましては、過日(平成9年8月6日付にて)行政改革会
議事務局宛てに送付させていただいた拙論

「行政評価・監視機関の設立プログラム──行政の質的向上のために」

をご参照いただければ有り難いと存じます。
 この行政評価・監視機関は、行政改革会議を中心とする現行の行政改
革の取組みを補い、補完するものとして位置づけられると思います。こ
こでは行政評価・監視機関についての議論は割愛させていただきます。


3. 省庁再編の実行計画


 1府12省庁の再編案については、行政改革会議の中間報告に次のよ
うな記述がみられます。

 「その意味において、省庁再編についての今回の中間報告は、縦割り
行政の弊害を除去し、21世紀のわが国の国家行政が担うべき機能を明
らかにしたうえで、それに基づいて省庁を大括りした骨格を示すにとど
まっている。今後、簡素・効率化に向け、官においてどうしても行わな
ければならない業務は何かという観点から、また、政策の企画立案部門
と執行部門を極力分離するという原則に立って、それぞれの省庁の所掌
事務、また共通性のある行政事務の省間の区分け等、多くの課題を詰め
ていかなければならない。」(同報告、�掘檻瓜仮函法�

 これによれば、今回の省庁再編案は、「21世紀のわが国の国家行政
が担うべき機能を明らかにしたうえで、それに基づいて省庁を大括りし
た骨格」を示しているにすぎないことになります。つまり、現行の各省
庁の所管業務・職務機能の見直し、職員(大臣・長官・次官・局長級を
含む)の削減・配置転換の見通し・手順・方法は、はじめから蚊帳の外
におかれているわけです。

 通常、ある原案を提案する場合、その原案で議論されている事柄を実
現するための見通し・手順・手続き・プロセス(いいかえれば実行計画)
が、大雑把な形であれ言及されているのが、ふつうです。
 しかし今回の省庁再編案のように、実行計画がほとんど言及されてい
ないということは、原案としては不十分と考えられます。
 会社や企業でいえば、ある事業を手がける場合まず事業計画が立てら
れます。そして、その事業計画書はいわゆるアクションプラン(実行計
画)も含み、そこで、短期・長期両面からの具体的な事業展開の仕方や
取引先・ビジネスパートナーの想定等の記述が必要とされます(「アン
トレ」誌1997年10月号、175頁、参照)。

 省庁再編においても、実行計画を後回しにするのでなく、できるだけ
初期の段階から、原案に組み込んでおいた方がよいと、私は考えます。 
完璧な実行計画を最初から期待している人はたぶんいないはずです。概
略の実行計画でかまいませんから、できるだけ早く提案することが必要
と考えます。

 今回の中間報告ばかりでなく、平成9年8月1日に公表された、動燃
改革検討委員会による報告「動燃改革の基本的方向」を拝見したときも、
似たようなことを感じました。
 この報告では、動燃改革検討委員会とは別に、作業部会を科学技術庁
に設置して、その任務として「新法人の経営、組織・人事、安全強化、
開かれた体制整備など新法人の具体的組織体制及びその実施すべき事業
の計画などの具体化の作業を行う。」(「動燃改革の基本的方向」別紙、
作業部会の設置について、参照)ことを提案しています。つまり、ここ
でも実行計画は後回しとされています。

 省庁再編についていえば、話題となった大前研一氏著『平成維新』
(講談社、平成元年6月刊)発行当時からすでに議論されていたことで
あり、目新しいことでありません。また、行政改革会議の中間報告では、
「具体的な省庁再編を行うに当たっては、国家行政の減量が是非とも必
要となる」(同報告、�掘檻瓜仮函砲箸Δ燭錣譴討い泙垢�、省庁の数を
減らし、再編するというのは、与野党ともにおおかたの了解事項である
と思います。

 そこで、私なりに省庁再編の実行計画をまとめてみました。


================================================================
       表3 省庁再編の実行計画(概略)
================================================================
 [手順1] 

 行政改革会議の1府12省庁の原案の見直し、修正・変更、決定。
  (注1)
----------------------------------------------------------------
 [手順2] 

 現行省庁のすべての所管業務の細目につき、各部局・部門ごとに
 個人担当レベルまで詳細に記述した、各省庁ごとの職掌基準(規定)
 を作成し文書化する。なお職掌基準には担当所管業務の細目リスト
 を付属させる。
----------------------------------------------------------------
 [手順3] 

 職掌基準の担当所管業務の細目リストをもとに、各省庁の所管業務
 の各項目の必要性を判断するためのチェックリストを作成する。
----------------------------------------------------------------
 [手順4] 

 上記 [手順3] で作成したチェックリストを用い、所管業務の各項
 目につき、存続(○)か、廃止(×)か、修正(△)かを決める。
----------------------------------------------------------------
 [手順5] 
 
 所管業務の各項目のうち存続もしくは修正の判定が下されたものを、
  [手順1] で立案された新省庁に一つ一つ割り当てる。この割当て
 は現行省庁の職員異動を考慮したものとする。

 なお新省庁への割当てでカバーしきれない現行所管業務の項目が、
 かなりの数に達すると予想されるが、このはみ出した残りの部分に
 ついては新省庁と別扱いとし、外部機関・民間会社への委託および
 移管を原則に別途協議、調整する。
================================================================

 このあたりをめどに、政府として法律案の作成・提出 
 −−> 通常国会での議決、必要に応じて修正、衆参両院での可決 
 −−> 法律制定、省庁再編の最終案確定 

================================================================
 [手順6] 

 国会で議決された省庁再編・実行の最終案にもとづき、新省庁(独
 立行政法人等を含む)への移行を実施する。各省庁で職員の所属・
 配置を決定し、また必要に応じて新規採用を実施する。
----------------------------------------------------------------
 [手順7] 

 新省庁の職掌基準を改めて作成し文書化する。なお職掌基準には
 担当所管業務の細目リストを付属させる。
----------------------------------------------------------------
 [手順8] 

 新省庁での業務がある程度円滑に行われるようになった段階で、
 随時担当所管業務の見直し、および省庁間での協議・調整を行い、
 さらに省庁体制を洗練し整備する。
================================================================
 注1)  [手順1] と並行して [手順2] 〜 [手順4] を実施します。


 この省庁再編の実行計画につき、以下に説明を加えさせていただきま
す。

● [手順1] の説明

 省庁再編案はこれからもいろいろ登場すると思われますが、おそらく
どれをとっても、言い方が適切でないかもしれませんが、五十歩百歩に
なろうと予想されます。したがって、この程度で妥協しておこう、我慢
しよう、という心づかいが必要になると思います。
 今の段階で細かい所を議論しあっても、生産的でありません。細部は、
実行計画の後半の [手順5] のあたりで詰めていけばよいと思います。

 問題になりそうなのは、中間報告の用語を借りれば「垂直的減量」
(同報告、�掘檻韻�よび�掘檻鎧仮函砲鬚い�にすすめるかということで
す。独立行政法人はさしあたり受け皿として機能するようですからさほ
ど大きな問題にならないと思いますが、民営化するかどうかの話のでて
いる省庁所管の現業(たとえば郵政三事業など)の担当部局・部署は、
最後まで論議を呼ぶと思われます。このあたりは、ある程度のところで
決断を下すしかないように思われます。

● [手順2] の説明

 現行の所管業務の正確かつ詳細な把握が、まずもってなされなくては
ならないと考えます。
 私はマスコミを通じて政府の仕事を見聞するにすぎませんが、現在の
省庁の所管業務は把握できているようで把握できていない、また、使用
されている用語の定義づけが明確でない場合があり議論が大雑把な印象
を受ける、というのが率直な感想です。
 現在各省庁ごとの職掌基準が制定されているかどうか存じ上げません
が、もしまだでしたら、省庁再編案の議論とは別に、至急各省庁に依頼
して職掌基準を作成してもらう必要があると思います。これはおもに製
造メーカーで一般化しつつある品質管理の考え方を、行政の分野に導入
することとも関係します (補注2)。

 職掌基準にはいろいろな様式が考えられますが、現行省庁の実務に適
した様式を選ぶことになると思います。この職掌基準と付属の担当所管
業務の細目リストが、職務機能の見直し、職員の削減・配置転換・合理
化の作業のすべての基本になります。
 ここで、担当所管業務の細目リストは、コンピュータのデータベース
やファイルシステム作成時によく使われる木構造(ツリー構造; tree 
structure) のような方式を用いて、体系的にわかりやすくしておくと、
後処理がやりやすいと思います。

 ところで、大蔵省における財政と金融の分離が論争の的となっていま
すが、財政と金融の区別がわれわれ国民の目にははっきりしない面があ
りますので、まず、現行の大蔵省の職掌基準を作成し、財政と金融の区
分を明らかにすることが先決と考えます。

 また、各省庁のあいだでも、その権限の及ぶ範囲が重なり、複数の省
庁間で論争になる(つまり陣取り合戦が行われる)事例をよく見かけま
す(たとえば、最近のマルチメディア関連の郵政省と通産省の政策の競
合、産業廃棄物処理の法制化における厚生省と通産省の駆け引き、等)。
この点につきましても、現行省庁の職掌基準を作成することにより、こ
のような各省庁の権限の及ぶ範囲の重複部分(いわば、省庁権限のグレ
ーゾーン)を今よりずっと明確にできると思います。このグレーゾーン
に含まれる所管業務につきましては、新省庁への割当ての際に、一つに
まとめ一本化することとします。

● [手順3] の説明

 この所管業務の必要性判断チェックリストは、各省庁・各部局ごとに
それぞれあらかじめ作成し用意します。それらを行政改革会議で取りま
とめ、最終的にチェックリストを仕上げるものとします。

● [手順4] の説明

 所管業務の各項目の存続・廃止・修正の判定を誰が行うかはむずかし
いところですが、これまでのいきさつから行政改革会議の担当で、とく
に問題はないと思われます。
 所管業務の各項目のうち、修正の必要性があると見なされた項目につ
いては、新省庁へ割り当てた後で、どのように業務を修正・変更するか
検討することとします。

● [手順5] の説明

 所管業務の細目の各省庁への割当てにより、職員(大臣・長官・次官
・局長級を含む)の削減・配置転換・合理化の計画を立てるものとしま
す。この割当ての作業も、[手順4] と同様に、行政改革会議の担当で
よいと思います。

 なお割当て調整の段階で、外部機関・民間会社への委託および移管が、
かなりの仕事量に上ると思いますが、その際、現在の業務担当者および
担当省庁を中心に大きな反発が生じることが予想されます。
 このような反発が予想されることは、さる9月9日の閣議で武藤総務
庁長官より報告されたように、各省庁から提出されている1998年度
職員の増員要求が6959人に達している(「中日新聞」平成9年9月
9日付)ことからも明らかです。
 この大幅な増員要求は、所管業務の新省庁への割当てとともに、今後
の行政改革の論議において、ハンディになることが予想されますが、こ
のハンディを乗り越えることが行政改革の実現のかぎになると思われま
す。

 ところで従来の通常の職員異動であれば、次のような分類ができます。

  a)継続勤務
  b)省庁内の所属・職位変更
  c)他省庁へ出向
  d)他省庁へ配置転換
  e)退職依頼
  f)国公立機関・団体への就職斡旋
  g)民間会社・団体への就職斡旋
  h)民営化による体制変更
  その他

 これに対し今回の省庁再編案では、このうち、a)b)c)は除外さ
れ、職員異動はおよそ次のように分類できると思われます。

  1)新しい省庁(独立行政法人等も含む)へ配置転換
  2)退職依頼
  3)国公立機関・団体への就職斡旋
  4)民間会社・団体への就職斡旋
  5)民営化による体制変更
  その他

 ここで、1)に該当する各職員は主として現在の担当業務を携えて、
おのおの新たな省庁や独立行政法人へ異動することになります。3)と
4)の就職斡旋は希望者を対象に必要に応じて行います。

● [手順6] の説明

 新省庁の職員は従来の省庁からの異動で大部分が占められると思われ
ますが、新設業務も相当数含まれることが予想されます。それで必要に
応じて新規採用を実施するなどして、職員数、所属・配置を最終調整し
決定します。

● [手順7] の説明

 新省庁の基本構想、および旧省庁から職員が携えてきた担当業務等を
もとに、ある程度の期間内に(たとえば、新省庁の始動後半年から一年
以内に)新省庁の職掌基準を作成します。この職掌基準の作成は、職員
が新しい職場で自分の担当業務や役割を確認することにも役立つと思い
ます。
 この職掌基準の作成により、省庁再編、行政改革の仕事の区切りがひ
とまずつき、新体制で行政に取り組む基礎が形成されることになります。

● [手順8] の説明

 現行の省庁で行われているように、新省庁でも随時(定期および不定
期に)業務見直しを行います。この段階では、省庁内の職員の所属・配
置の見直しと共に、省庁間の職務分担および人員振り分けなどの各種の
調整が課題に上ると思われます。各省庁内および省庁間で協議し、必要
に応じて修正・変更を行い、変更された部分は職掌基準を改訂すること
により、日常業務に反映するものとします。


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以上、行政改革会議・中間報告を拝見して気がかりな点、および、それ
に対する対応策のあらましを記させていただきました。
長くなってしまい誠に申し訳ありません。
不十分ではありますが、何卒ご一覧の上、ご検討たまわれば有り難いと
存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
                             草々
 1997年9月20日
                           堀場康一


 補注(1997/10/20更新)

 [補注1]

 ここでは、平時における地方(地方行政)や中央(国政)の状態を想定しています。

 阪神大震災(1995年1月17日発生)、高速増殖炉もんじゅの二次冷却系ナトリウム漏れ事故(1995年12月8日発生)、ロシア籍タンカー・ナホトカ号の重油流出事故および日本海沿岸での重油処理作業(1996年12月暮れから翌年にかけて)、動燃・東海事業所の再処理施設アスファルト固化処理施設の火災爆発事故(1997年3月31日発生)、あるいは台風や豪雨による風水害・土砂くずれ、その他、国民生活全体に影響を与える重大な災害や事故が発生した緊急の場合には、それらの災害や事故の発生した地方と中央とが緊密な連絡をとり、すみやかに相互の協力による対策がとられなくてはならないことはいうまでもありません。

 [補注2]

 ここで触れた品質管理もしくは品質保証は、官公庁とは基本的に業態が異なる、製造メーカー(製造業者)において主として導入されている管理手法ですが、その手法は、官公庁における行政実務においても参考になることが多いと思われます。

 たとえば品質保証の国際規格 「ISO 9001 (JIS Z 9901 に対応)  品質システム─設計、開発、製造、据付け及び付帯サービスにおける品質保証モデル」の [4.1.2 組織] の項には、次のような一文があります。

「4.1.2.1 責任及び権限
品質に影響する業務を管理し、実行し、検証するすべての人々、特に次の事項に関して組織上の自由及び権限を必要とする人々の責任、権限及び相互関係を明確にし、文書化すること。
(以下、a) 〜 e) 項がつづきますが、ここでは省略します)」(久米均編『対訳 ISO 9001 品質保証の国際規格 ポケット版』日本規格協会、1995年、23頁参照)。

 このなかの、「次の事項に関して組織上の自由及び権限を必要とする人々の責任、権限及び相互関係を明確にし、文書化する」ことがキーポイントになります。この文章で「次の事項」を「省庁のすべての所管業務」におきかえれば、省庁における職掌基準を作成する上で考慮されるべき事柄といってよいと思います。

 ところで製造メーカーの場合、上記の引用文にあるような基準に沿って品質保証を達成するための組織作りがなされているようです。私もあるメーカーにおいて、品質管理を担当させていただき、その組織・体制作りのむずかしさを痛感したことがあります。

 品質管理・品質保証の考え方は、製品の製造にかぎらず、もっと幅広く通用する概念であると私は考えますが、会社全体の組織にあてはめて職掌基準を作成し、組織作りを行っている会社の例は、あまり多くないように見受けられます。
 このことは、会社や企業の組織作りが、売上げの増減、あるいは製品サイクルの変化(たとえば、パソコンやソフトウエア製品はライフサイクルが短い)、それに伴う生産工場の拡大・縮小・移転・製品転換、などに左右され流動的であることが大きな要因の一つであると思われます。

 ふつう経営者は、会社の採算状態(好況か不況かそこそこか)を判断し、それに対応して、ある一定の期間をおいて、会社組織を部分的に(ときには全体的に)修正・変更していきます。そのような修正・変更が、周期的、不定期もしくは突発的に繰り返されるわけです。この組織の修正・変更は、一方で従業員の立場、さらに顧客あるいはビジネスパートナーとの関係に配慮しながら行われるわけですが、その機敏さ・要領のよさが、経営者の経営手腕にかかってくるといえます。

 したがって、会社全体(総務、人事、企画、広報、営業、購買、製造、品質管理、技術、法務その他)を対象とした、従業員の職位や所属並びに責任や権限の範囲をきっちりと明確に記した職掌基準を作成しても、ある程度の期間(たとえば数年程度)が経過すると、元の職掌基準が役に立たなくなる場合があります。役に立たないということは無駄になってしまう、ということです。そこで現状では、製造メーカーにおいては、品質保証を達成するための組織作りが、とりあえず明文化の対象となり、文書化がなされているのだと思われます。

 これに対し国や地方の行政機関・団体は、会社や企業と比較すると、組織の流動性はより少ないと考えられます。
 というのも、一般の会社や企業のように組織としてつねに流動していたのでは、国民もしくは住民の信頼や信用が得られにくく、また国内ばかりでなく外国からも信頼されにくく信用されにくくなり、したがって組織として問題を多く抱えることになります。それゆえに、結果的に、行政機関・団体では、組織の流動性が比較的少なくなっているように思われます。
(職員の異動にかかわる流動性については、定期・不定期の異動 [部署変更、配置転換、出向他]、新規・中途採用などから、会社や企業と同様に、それなりに流動的であるといえると思います。)

 組織の流動性が比較的少ない、ということは、行政機関・団体の所管業務の職掌基準は、会社や企業に比べて作成しやすいということになります。

 この点を考慮し、行政実務・管理をもっと円滑にすすめるために、国や地方の各行政機関・団体において、所管業務全体の職掌基準を作成し文書化することが望ましく、かつ不可欠です。

 またこれらの明文化された職掌基準を行政資料として一般公開することにより、国民もしくは住民が、行政自体をよりいっそう理解し、身近に感じるようになり、行政の担当者と率直な議論や意見交換ができるようになることを期待しています。

以 上   


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(Ver. 1.21 2006/11/25)
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