いのちは人から人へ伝えるもの

─ いのち、愛すること、人間関係 ─

目次
 1.日々思うこと
  (1) いのちは人から人へ伝えるもの
  (2) 他人と向き合ういのち
  (3) 愛すること
 2.ぼくの日記から



1.日々思うこと

 日々生活していて、様々なことを思い浮かべたり、考えたりします。

 ぼく自身の現在は満足できるものではありませんし、また、自分一人では大したことはできませんが、

 ぼくの頭から離れないことがあります。

 それは、いのちと愛すること、そして人間関係や礼節にまつわる事柄です。

 ぼくの場合、いのちは人から人へ伝えるもの、という気持ちになってから、それまで頭に絡んでいた生死に関わる疑問が、おおかた消えて行きました。


(1) いのちは人から人へ伝えるもの

 「いのち」について、以前からはっきりしたイメージをもっていたわけではありません。

 5年前(2000年)の日記に次のように書きました。

 「いのちがあればそれでよいと思うことがある。生きているだけでうれしいと感じることがある。それ以上のものはぜいたくだと思うことがある。まだまだ欲から逃れられないが、いのちを感じるだけで胸がいっぱいになることがある。」(2000/06/03付日記)

 どちらかといえば、いのちを感じるだけで精一杯、そんな感じで生活してきました。

 それが最近になって徐々に変わってきました。あたかも暗いトンネルに光が差し込んで、視界が開けたような気がしたものです。

 きっかけは、沖縄を見続け語り続けている随筆家、岡部伊都子さんのNHK教育テレビ放映のドキュメンタリーでした。
NHK ETV特集「消えぬ戦世(いくさゆ)よ 〜随筆家・岡部伊都子の語りつづける沖縄〜」2004/08/28放映)

 このドキュメンタリーには、竹富島の水牛車や、名護市のハンセン病療養所・沖縄愛楽園も登場していました。

 訥々とした岡部伊都子さんの話を聞きながら、「いのち」のことを考えていて、

   いのちは人から人へ伝えるもの
   いのちは人から人へ伝わるもの

 そんな言葉が思い浮かびました。

 いのちは自分一人だけのものではない。自分のいのちにしがみついているのでなく、他人のいのちに共感したり、他人にいのちを伝えていけばよい。

 いのちの連鎖といってもよいかもしれません。

 すると気分がずっと楽になり、いままで「いのち」について抱いていた重苦しいイメージがどこかへ飛んで行き、気軽に「いのち」について語ることができる心持ちになりました。

 ぼくはまだ独り身で子供がいないので、親子のつながりが十分わかっていないかもしれません。

 とはいえ、ぼくには両親から受け継いだいのちがあります。

 そのいのちを大切にしたいです。


(2) 他人と向き合ういのち

 ぼくにとって、いのちは、抽象的なものでなく、具体的なものです。

 ほら、いのちが、いま、ここにある、そんな感じで生きています。

 そして、いのちは自分に帰らない、というのが実感です。

 いのちは土に帰ることがあるかもしれません。

 しかし、いのちは自分に帰らない、ということです。

 いのちは、それ自体で完結しているので、帰るところなどどこにもない、と言ってよいかもしれません。

 自分に帰らないとすれば、人(すなわち他人・他者)に伝えることしか残されていません。

 他人に伝えるということは、他人がそこにいてもらわなくては困ります。

 ぼくにできることと言えば、他人を生かすこと、他人にそこにいてもらうことです。

 他人を殺したり、死に至らしめる行為は、ぼくには到底理解できません。自分以外の他人が、そこにいてもらわなくては困るからです。

 一方で、自分が自分で自分のいのちのことを考えるというのは、ぼくには、どうでもよいことのように思えてきました。「どうでもよい」と言うと語弊があるかもしれませんが、「お好きなようにやってください」という程度の意です。

 他人に向かわないいのちは、本当のいのちとは言えない。あえてそう言っておきましょう。

 いのちは、他人に向かって、他人と向き合ってはじめて、いきいきとかがやくことができる。そんな気がします。

 これからは、いのちにしがみつかず、いのちを大切にし、いのちを分かち合い、他人と向き合うことを心がけて、暮らして行きたいと思います。


(3) 愛すること

 つぎに「愛すること」に少し触れます。

 人を愛するというとき、一番大切なのは、本当に心から相手を愛しているかどうか? ということです。

 いいかえれば、本当に心から相手を愛しているかどうかが、その相手との関係がこれからもずっと続くかどうかの別れ道になりそうです。

 愛するというのは、日常の不断の努力であって、どこかに愛がころがっているわけではありません。

 日々、愛しているかどうか自分で確認し、そしてそれを相手に伝える、おそらくそんな感じだと思います。

 いろいろな伝え方があると思いますが、相手に愛を伝えることで、愛がより確かなものになるはずです。

 以上が家族、夫婦、恋人、パートナーなど、ぼくのイメージする素朴な愛のかたちです。

 ぼく自身、このノートを書きながら反省することが多いですが、これまでどう生きてきたかよりも、これからどう生きるかのほうが大切な気がします。

 これからの人生を実りあるものにしたいです。


2.ぼくの日記から

 いのち、愛すること、人間関係、礼節とはいっても、考え方は人によって様々だと思われます。

 ぼくにとって大切な、いのちと愛すること、そして人間関係や礼節について、自分の考えや参考になる事柄を記した日記を集めてみました。
 (関連する内容が日記の一部分の場合もあります。ご了承ください。)

 日記を日付順に列挙してあるだけですが、なにかの参考にしていただけたらうれしいです。


関連日記

 − ジェンダーと恋愛 (2000/08/20付日記)
 − 「さよならエルマおばあさん」 (2001/07/31付日記)
 − 人に伝えるということ (2003/11/30付日記)
 − ラブソング (2004/02/16付日記)
 − 頑張れば助けてもらえる (2004/04/18付日記)
 − 柳本監督と吉原主将と選手たちのつながりが女子バレーをアテネに導いた (2004/05/15付日記)
 − 再びラブソング (2004/07/20付日記)
 − 「東京湾景」3、人間関係のこと (2004/07/21付日記)
 − 個人的な祈り (2004/07/24付日記)
 − 愛だけではどうにもならないけれど (2004/07/30付日記)
 − 「東京湾景」5、あきらめたりすれちがったり (2004/08/03付日記)
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 − ふたたび、「評価しない」ということ (2004/08/24付日記)
 − 「東京湾景」8、愛情と友情 (2004/08/25付日記)
 − いのちは人から人へ伝えるもの (2004/08/29付日記)
 − いのちは自分に帰らない  (2004/09/06付日記)
 − 「東京湾景」最終話、運命の架け橋。ありがとう東京湾景 (2004/09/15付日記)
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 − 年齢を気にせずに生きる (2004/10/02付日記)
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 − いでまゆみ著『郷ひろみに学ぶ 幸せのレシピ』 (2004/11/03付日記)
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 − 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。」 (2004/12/22付日記)
 − ことばと人間関係 (2004/12/26付日記)
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 − 偏らないでいるのはむずかしい、けれど偏らないようにしたい (2005/01/29付日記)
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 − ドラマ「ごくせん」最終回「胸張って卒業しろ! ヤンクミと3年D組、涙の別れ」 (2005/03/19付日記)
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 − 10年が過ぎて、10年のまとめ。 (2005/05/12付日記)
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 − タレント生活の継続と結婚での選択 (2005/07/01付日記)
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 − 会えばわかることが多いけれど。 (2005/08/11付日記)
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 − 家族崩壊はたえられない。目的は手段を正当化しない。 (2005/09/02付日記)
 − 「積木くずし真相」前編を見ました。 (2005/09/03付日記)
 − 「積木くずし真相」後編も見ました。 (2005/09/04付日記)
 − 「いま、会いにゆきます」─あわてんぼうのサンタクロース (2005/09/05付日記)
 − 結局、自分の生き方が問われている。愛情と友情のこと。 (2005/09/12付日記)
 − 詩「なんくるないさ恋歌」 (2005/09/15付日記)
 − 映画「SHINOBI」悔いのない出会い。 (2005/09/19付日記)
 − ドラマにおける人間関係(ドラマ最終回三つ) (2005/09/20付日記)
 − 価値観が一緒の人との出会い (2005/09/23付日記)
 − 岡部伊都子さんといのちのこと (2008/05/02付日記)


以上、堀場康一 記。


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